債務ノート
自己破産、親族や友人からの借金だけを返済ってアリ?
- 公開日:2016/01/21 更新日:2016/02/11 @ 1386view
- 自己破産について知る!
自己破産をするけど、親族や友人からの借金だけは返済しておきたいと考える人は多いと思います。
金融機関は貸し倒しのリスクも考慮に入れて高めの利息をとっていますが、親族や友人は利益のためでなく好意でお金を貸してくれている場合が多いですから、このような感情を持つことは当然かもしれません。
しかし、自己破産をするときに親族や友人への借金だけを優先的に返済することは、原則として認められません。
自己破産のルール
自己破産には、破産宣告と免責という2段階の手続きがありますが、ほとんどの人は免責を受けて借金をゼロにすることが目的だと思います。
自己破産では、「債権者への対応は平等でなければならない」というルールがあります。
ある債権者に対しては弁済をして、ある債権者に対しては弁済をせずに借金を免除してもらうという、特定の債権者だけに偏った弁済をすることは原則として認められません。
免責不許可事由になるうえ、当該弁済が取り消されて債権者からお金を回収されることもあります。
免責不許可事由にあたると、免責が認められない原因になります。
免責不許可事由の存在
ギャンブルや浪費で借金を作った場合には免責が認められないという話は聞いたことがある人も多いと思いますが、これはギャンブルや浪費による借金が免責不許可事由にあたるからです。
実際には、免責不許可事由にあたっても裁判官の裁量によって免責が認められることが多いですが、100%認められるわけではないので、特定の債権者に対して弁済をすることはやめておいたほうが無難です。
自己破産ができなくなると、個人再生や任意整理などの方法を検討するしかなくなりますが、個人再生でも任意整理でも借金がゼロにはならないので、重い負担になる可能性があります。
免責不許可事由にあたっても、それが重大でない場合には、裁判官の裁量によって免責が認められることは多いです。
しかし、その際には破産管財人が、親族や友人に優先的に弁済した借金を「返してください」と言って回収することになります。
このように、最終的には親族や友人に迷惑がかかってしまうことになります。
「支払の停止」が分かれ目
とはいっても、複数の借金がある場合に、どの金融機関に返済するかについては基本的には自由とされています。
それでは、いったいどの時点から、特定の債権者に弁済することが許されなくなるのかというと、「支払の停止」があった時点からです。
これについては諸説ありますが、弁護士に債務整理の相談をして、弁護士が受任通知を送付した時点が「支払の停止」にあたるという判例があります。
弁護士に債務整理の依頼をしたら、それ以後は特定の債権者への弁済は控えるようにしましょう。
逆に、借金が返済困難になっていない状態でなら、親族や友人に優先的に弁済することは自由です。
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