債務ノート
自己破産すると奨学金はどうなる?
- 公開日:2015/07/12 更新日:2015/06/28 @ 1211view
- 自己破産について知る!
大学などへの入学資金として「奨学金」を利用する人は多くいます。
しかし、大学を卒業しても希望する企業に就職できず、その後の奨学金の返済に苦しんでいる人もかなりの人数に上っているという現実もあります。最近では、奨学金の返済ができず自己破産を申し立てる人も増えてきています。
奨学金債権についても自己破産することで免責を受けることが出来ますので、その返済義務を免れること自体は可能です。
ただし、それで綺麗さっぱり終わりにできるというわけではありません。
保証人に請求が行ってしまう!
奨学金に限ったことではありませんが、自己破産をで免責を受ける債務に「保証人」がついている場合は、自己破産と同時に保証人への請求が開始されます。
奨学金に関しては、ほとんどのケースで「両親」が保証人になっていると思いますので、あなたが自己破産して債務の免責が認められた場合、残りの奨学金の返済は保証人であるご両親がしなければなりません。
奨学金を貸し付けている「日本学生支援機構」は、文部科学省が所管する国の機関です。つまり、国民の税金で運営されています。
そのため、奨学金を借りるという事は、必ず就職をして返済しなければならないんだ、と強く肝に銘じて借り入れて欲しいものです。
ちなみに、どうしても自己破産する場合は、保証人である両親に必ず事前に相談しましょう。
奨学金だけ返済することは可能?
自己破産すると奨学金の保証人(親)に迷惑をかけてしまうという理由で、奨学金だけ通常通り返済を行って、他の債務だけを自己破産すればいいのではないか!?などとと考える人もいるかもしれません。
しかし、自己破産の際には、隠すことなく全ての債権者を明らかにしなければならないので、奨学金だけは返済し、ほかの債務を自己破産する、という都合の良いことは出来ないのです。
もしも本人が死亡した場合はどうなるの?
あまり知られていませんが、奨学金を借入れて大学に入学した子供がなんらかの事情で奨学金の返済前に死亡した場合、その後の返済義務はどうなるのでしょうか。
死亡により免責されると勘違いされている方が多いのですが、実は免責されません。
誰が支払うのでしょう。
それは保証人となった人、そうです、ご両親ということになります。
つまり、奨学金を返済しないまま本人が死亡すると、残りの返済は重い借金として悲しみにくれるご両親のもとへ請求がいきます。非情ですが、これはどうにもなりません。
これに対処するための具体的な対応策としては、本人名義で生命保険に加入することくらいしかないでしょう。
まとめ
自己破産をすると全ての債務が免除になるので、奨学金の返済義務もなくなりますが、返済請求は保証人(多くの場合は親)に行ってしまうことを知っておく必要があります。
そもそも奨学金を借り入れる際には、将来にどれくらいの支払い義務が発生し、万が一支払えないと家族の生活はどうなるのかまで、しっかりと理解し、その上で奨学金を利用するかどうかを判断しましょう。
国が相手だからといって、決して容赦はしてくれません。甘えは許されないのです。
どうしても奨学金が払えずに自己破産を考えている方は、大切な両親に迷惑をかけることがないよう、あらかじめ両親に相談するなど、良く考えてから自己破産を決断しましょう。
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