債務ノート
下流社会の基礎知識|自己破産すると・・・退職金や年金の行方
- 公開日:2016/01/28 更新日:2016/02/11 @ 1317view
- 下流社会の基礎知識
自己破産をすると、破産宣告時に所有していた財産はすべて処分して、債権者への返済にあてられます。
退職金や年金がどうなるのか、気になっている人も多いでしょう。
年金も返済に充てられる?
結論から言うと、年金については影響はありません。
退職金については、やや複雑になってきますので後で解説します。
国民年金、厚生年金、共済年金といった公的年金については、自己破産をしてもそれまでと変わらず受給できます。
ただし、民間の生命保険会社等の個人年金については資産となりますので、解約されて債権者への返済にあてられます。
ただし、自己破産の対象に銀行からの借金が含まれている場合には、その銀行の口座が凍結されて引き落としができなくなる可能性があります。
年金は差し押さえができないからと安心している人がいますが、振り込まれたお金については差し押さえが可能となっているので、引き落としができないばかりか、口座の凍結が解除される頃には残高がゼロになっている可能性があるので注意が必要です。
その場合にはあらかじめ振込口座を変更しておきましょう。
退職金も返済に充てられる?
次に退職金についてですが、すでに退職しておりお金を受け取っている場合には、それはもう自分の財産となっているので、全額没収対象になります。
ただし、99万円までの現金、20万円までの口座預金は自由財産となり、自由に使えるお金となります。
次に、退職金をまだ受け取ってはいないが、すでに退職していて受け取ることが確実である場合や、退職が間近な場合には、退職金の見込み額の4分の1が没収対象になります。
なぜ4分の1かというと、退職金は生活の糧となるものなので、4分の3までは法律上差し押さえが禁止されているからです。
次に、退職がまだ先である場合には、本人が退職しない限りもらえないお金なので、回収が困難であることから実務上は見込み額の8分の1を財産として評価するという運用がされています。
さらにその8分の1が20万円に満たない場合にはそもそも資産として扱わないとされているケースが多いようです。
自己破産にする?個人再生にする?
自己破産をするときは、現時点で退職するともらえるであろう退職金の8分の1を破産管財人に収める必要があるわけですが、このお金が用意できない場合もあります。
この場合の対応は裁判所によって異なりますが、毎月の積み立てで対応できる場合などもあります。
破産管財人が会社に対して退職金の8分の1を前払いするように請求することもできますが、それだと会社に自己破産をしたことがバレてしまいます。
場合によっては自己破産ではなく個人再生をしたほうがよい場合もあるでしょう。
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