債務ノート
民事再生には二種類あるんです
- 公開日:2016/01/26 更新日:2016/01/24 @ 1133view
- 民事再生について
民事再生には、小規模個人再生と給与者所得者等再生の二種類があります。
小規模個人再生は、通常の民事再生の特則と位置づけられ、給与所得者等再生は、小規模個人再生の特則と位置づけられています。
民事再生の特徴について
民事再生は、借金を減額して原則3年で分割弁済していく債務整理です。
任意整理よりも借金を大幅に減額でき、自己破産のようにマイホームを失わずに済むのが、民事再生の魅力です。
裁判所関与のもと、全債権者を相手に、再生計画が認可されると借金が減額されます。
減額後の借金は再生計画にしたがって弁済していきます。
小規模個人再生について
小規模個人再生を利用するには、将来において継続的に又は反復的に収入を得る見込みがあること、住宅ローン以外の借金が5000万円以下であること、という要件を満たす必要があります。
5000万円以上の借金がある場合は、通常の再生手続か自己破産の手続によることになります。
小規模個人再生では大幅に借金を減額することができますが、減額幅にも限度があります。
最低限支払わなければならない額が法律で決められているのです(最低弁済基準といいます)。
最低弁済基準は、借金額によって異なります。
たとえば、借金額が100万円未満の場合は全額、100万円以上500万円未満の場合は100万円、1500万円以上3000万円以下の場合は300万円といった具合です。
ただし、最低弁済基準額さえ支払えば良いというわけではありません。
最低弁済基準額は、自己破産する場合に債権者に分配される額を超える必要があるのです(清算価値保障の原則といいます)。
小規模個人再生は、再生計画案に一定上の債権者が反対があると認められません。
もっとも、実務では、再生計画案に債権者が反対することはまずありません。
給与所得者等再生について
給与所得者等再生を利用するには、小規模個人再生の要件に加えて、定期的な収入の変動幅が小さいこと、という要件が付け加わります。
主にサラリーマンや公務員を対象にした制度です。
最低限支払わなければならない額は、最低弁済基準額か可処分所得の2年分以上のどちらか多い方となります。
可処分所得とは、簡単にいうと、収入から税金や最低限の生活費を除いた部分のお金のことです。
給与所得者等再生は、債権者の決議なくして再生計画案が認められるという魅力があります。
しかし、破産免責が確定した日から7年間は申立てができないなど、申立てには制限期間があるので注意が必要です。
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